犬の行動学
攻撃行動について
攻撃性の原因は?
・何もしていないのに噛んでくる
・知らない人に対してすごく攻撃的になる
・家族の一部の人にだけすごく凶暴になってしまう
犬が噛んでくると誰しも良い気分にはなりませんし、お互いの関係性が崩れてしっかりとした世話が出来なくなることもあります。
大切な事は何故攻撃してくるかということです。
人は痛みがあるとイライラしますし脳腫瘍があると性格が変化し凶暴性がでることもあると報告されています。
犬でも膵炎の子を診察すると軽くお腹を触っただけで噛もうとすることがあります。また椎間板ヘルニアでは抱っこしようとする飼い主さんを噛むことがあります。
ここで大切なのは
・医学的な問題があるのか
・精神的な問題(行動学的異常)があるのか
ということです。
上のような例でもあるように病気を抱えていると非常にストレスを感じて噛んでくることがあるため何故噛んできたのかを一度冷静になって考える必要があります。
人を攻撃する理由について
医学的問題がない場合に人を攻撃する理由について考えます。
噛んでくるという攻撃の理由には大まかに分けて
・不安や恐怖からくるもの
・関心を求めるために学習したもの
などがあります。
動物病院ではよく「撫でていると喜んでるのに突然噛んできた」「噛んでくる理由やきっかは全く思いつかない」と相談されることがあります。
実は噛むという行動に出る前に
・眼を細める
・伏せる(または耳を寝かせる)
・あくびをする(または口をモゴモゴする)
などの行動をとっていることがあります。
横の画像は噛むという行動に出るまでの仕草を示してくれています。
これによると“口を舐める”→”あくびをする”→”伏せる”→”そっぽを向く”→”吠える”→→→といって最終的に”噛む(biting)”という行動の変化を辿ります。
ポイントとしては犬は喜んでいても不安(恐怖)でも尾を振ることがあるため何を意図しているのかを読み取ってあげる事が大切になります。
余談ですがよく柴犬さんはしっぽを振りながら噛んでくると獣医師の間で話題になった事があります。これは実は怖がっていただけなのかもしれません。勉強不足だとこういった勘違いをしてしまう事があるので日々勉強です。。。
参考資料
Animal Medical Center of Chicago HP
次の記事では対策について説明していきます
ひらた動物病院
院長 中谷