真菌(カビ)症について

    

今回の内容

・真菌症って?

・どんな症状?

・どうやって調べるの?

・治療法は?

・まとめ

真菌症って?

真菌症とはいわゆるカビに感染することにより生ずる病気のことを指します。

身近なカビとしては水虫や風呂の黒カビがあります。

足の水虫は白癬菌と言われ、クロカビはクロドスポリウムと言います。

犬・猫ではMicrosporamと言われる種類のカビによる感染症が多いとされています。

真菌症は動物から人へ感染ることがあるため注意が必要です。

特に女性や子ども、高齢者の方は皮膚が薄く感染しやすいとされています。

どんな症状?

一般的に認められる症状は脱毛・赤み(紅斑)・痒みが認められます。

これはカビに感染してしまった被毛はボロボロになるためその部分から脱毛が始まるためです。また非常に痒みが出るためしきりに掻いて全身にカビを広げてしまうこともあります。

まだ免疫力がしっかりしていない子猫・子犬の時期に感染症が起こりやすい傾向にあります。一部のカビは特殊なライトを当てると光る性質を持っているため真菌症を疑った際は暗室にてライトを照射して確認します。(下は感染した被毛と脱毛部位)

検査方法について

真菌症 ひらた動物病院 広島

検査方法としてはおおまかに3つの方法をとります。

・ライトで照射し光るかみる

・顕微鏡にて観察

・培養してみる

一部のカビでは特殊な光を照射すると光る性質があるため脱毛部位が光らないかを確認します。またカビは同心円状に拡大(丸く拡大する)する性質があるため拡大している周囲の被毛を抜去しカビを検出しやすくする薬剤を使用して顕微鏡で観察します。カビが確認された場合は院内で培養してどの種類のカビが増殖しているかを確認します。

顕微鏡写真

真菌症 ひらた動物病院 広島

被毛を溶かす特殊な薬剤

真菌症 ひらた動物病院 広島

治療法について

真菌症の治療としては内服と外用療法があります。

内服は抗真菌薬というお薬を2〜4週間程度服用します。

外用療法にはシャンプーと抗真菌クリームがありシャンプーが苦手でない子にはカビの胞子を洗い流す点でもオススメしています。(ただし乾燥がしっかりできなかったり小さなお子様などがいるご家庭では家庭内感染のリスクもあるため注意が必要です

また痒みが強い場合には掻いて全身に広げないためにかゆみ止めを使用することもあります。免疫がしっかりしてくると自然治癒が認められることもありますがその際も痒みなどがあれば感染を広げてしまうため拡大予防の治療が有効となります。

まとめ

真菌症 は痒みが強く、掻けば掻くほど全身へと感染を広げてしまう病気です。特に若い犬・猫ちゃんがしきりに体を掻いていたり、脱毛がある場合は要注意です。

また人にも感染する病気であるため今回のような症状が認められたり、なかなか治らない場合には早めの受診と検査をオススメします。

 

 

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