歯科 ひらた動物病院 広島

歯周病の悪化(外歯瘻について)

         

外歯瘻(がいしろう)とは

歯周病が悪化することによって歯周囲の骨が溶け、皮膚に穴が空いてしまう病気です。眼の周囲に穴があいて気づかれる事が多く、かなり痛みを伴うので触られることを極端に嫌がります。その痛さのため普段と違い攻撃的な性格になることが多く認められます。食事中に顔を傾けている、ご飯をよくこぼすようになった、涎が増えたなどの症状は歯周病の悪化兆候の可能性があります。

 

 

 

 

 

外歯瘻の治療方法について

基本的には原因となる歯を抜くことで症状は改善します。

抗生剤と痛み止めで一過性の改善を認めることもありますが、非常に痛みが強く再発を繰り返します。その度に動物に苦痛を与えるため早期かつ根治治療が望まれます。歯石のみを取るだけでは溶けた骨は再生しないためヒトでは骨充填などの方法もありますが犬では歯槽骨まで溶けているため適応が困難な事が多いのが現状です。

手術は全身麻酔をかけて実施しますが外歯瘻がある子は高齢である事が多く、麻酔には細心の注意をはらう必要があります。 心臓が悪かったり腎臓の数値が高い子については予め内服での治療や点滴を実施し安定させてから行うこともあります。

 

 

 

 

予防方法について

最も大切なのはお口の定期ケアをして歯周病の予防をしてあげることです。特に歯の症状については飼い主さんが気づいていないことが多く、またあまり気にしていない事もあります。

しかし人では小さな虫歯や親知らずだけで痛みが続き一日がブルーになることもよくあることです。動物達も同じような痛みがあり、それに耐えているだけと考えると”歯周病にしない”、なってしまったら”早期に治療する”ことが大切です。

予防接種や健康診断の際に歯石の付着や歯肉炎があれば初期の段階でしっかりとしたクリーニングを実施していただくことが大切です。

 

 

 

 

まとめ

  • 外歯瘻(がいしろう)とは歯周病が悪化し皮膚に穴があく症状の事。
  • 治療は麻酔下にて原因となる歯を抜くことで治癒します。
  • 予防のため定期的な歯科健診とクリーニングを実施することが大切。

お口について気になることがあればお気軽にご相談ください。

院長 中谷

 

 

 

 

 

*実際の外歯瘻の画像になります。

外歯瘻 ひらた動物病院 広島

口の中から入れた器具が眼の下から貫通していることがわかります。

こういった際には皮膚が壊死していることがあり、歯を抜くだけでなく悪くなった皮膚の一部を除去し洗浄してあげることが必要となります。

 

 

 

 

猫、外歯瘻

犬だけでなく猫でも外歯瘻はあります。

特に高齢の猫ちゃんが口を気持ち悪そうにしていたり、涎が増えたなどの症状があればお口に何らかのトラブルを抱えている可能性があるため早めの対処が望ましいです。

腎臓などの機能低下に伴い麻酔が難しい際には抗生剤などを使用しますが非常に再発が多く治ることがないため早めの治療が非常に大切です。

 

 

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