耳の内視鏡とは?
耳の中を観察する医療機器でビデオオトスコープと呼ばれます。耳の中(耳介〜鼓膜)を観察する際には従来手持ち耳鏡という道具を使用するのですが、視野が狭いため十分な観察ができないというデメリットや鼓膜までの観察が困難という点があります。ビデオオトスコープでは視野が広いため耳の中を詳細に観察することができ、また色々な道具(専用の鉗子)を使用しての治療が可能となりました。
今回導入した機器はカールストルツ・エンドスコーピー社というドイツのメーカーで広島では最も新しい機器との事でした。(メーカー担当者様談 2021)
何ができるの?
ビデオオトスコープでは耳の中を詳細に観察するだけでなく、チャネルと言われる穴から器具を挿れることで洗浄はもちろんの事、ポリープの切除や耳の中の異物の除去も可能となります。必要に応じてレーザーでイボを焼絡する事も可能です。ただし急性の外耳炎では炎症が強く痛みが出ていることがあるのでまずは内服などで治療してから観察することもあります。
耳を痒がるときは、、、
ワンちゃんのトラブルの中で耳に占める割合は17.3%と言われ皮膚のトラブルに次いで2番目に多くなっています。また垂れ耳と立ち耳では前者の垂れ耳の方が多くトラブルが発生していると報告されています。
この画像の子は首を痒がるとの事でしたが耳を観察すると垂直耳道において炎症が認められました。耳の表面を痒がる場合は外からでも観察ができますが内部はこのような専用の機器で観察することにより耳のトラブルを発見・治療することができます。
(出典:https://mobt3ath.com/uplode/books/book-91356.pdf)
耳の治療をご希望の方は
まずは耳の状態を確認した上で治療を行いますので診察の受付時にお気軽にお尋ねください。(観察自体は無麻酔で可能です)また一部の処置を除き基本的に麻酔下での実施となるため全身状態の確認などを十分に行った上で治療方法のご提案させて頂きます。
去勢・避妊手術などの際に同時に実施することも可能です。なかなか治らない外耳炎や突然耳を痒がるなどの症状があれば一度ご相談いただければと思います。
(最新の外耳炎治療薬についてはこちら)
院長 中谷