ドライフードについて
〜今回の記事について〜
カリカリのご飯を新しく開けた時ってすごく食べてくれる事はないでしょうか?
パウチや缶詰についても新しい時はすごく食べてくれるけど時間が経つと渋々食べているって事があるかと思います。
今回はフードの酸化が動物たちに与える影響について書いていこうと思います。
ドライフードの酸化って?
酸化と聞くとあまり良いイメージを持たない方が多いのではないでしょうか?
CMでもお肌の酸化を防ぐ(正しい表現なのかは分かりませんが。。。)など
酸化には劣化や悪くなるというイメージがあります。
食品の酸化については太陽化学株式会社さんのサイトで詳しく説明してくれていますが
ここではペットフードの酸化について説明していこうと思います。
なぜ酸化するといけないのか?
フードの酸化についてはペット栄養学会誌(2017 P156-172)に報告があります。
この記事によると酸化は嗜好性低下の原因と考えられると同時に下痢などの要因となりうると言及しています。
このため動物たちの健康においてフードの酸化は放置できない事実なのです。
特に酸化した脂肪(特に不飽和脂肪酸)は体で吸収する際に腸や膵臓に負担をかけるため古くなったフードで下痢や膵炎を起こすのではないかと考えています。
どのように酸化を防ぐ?
皆さんはポテトチップスを開けて、翌日食べようとすると湿気って風味もなく全然美味しくないという経験はないでしょうか?
ペットフードの成分は肉や穀物が多く、また嗜好性を上げるため多くの油脂でコーティングされています。 そのため酸化することによってポテチと同様に風味がなくなり、加えて栄養豊富なためカビや細菌の栄養源となってしまいます。
フードにとっての天敵は酸化(空気)、温度、湿度、光(日光)と言われています。
逆に言えばこれらを除くことができればフードは痛みにくいといえるのです。
具体的には
酸化→2週間程度で食べきるサイズを購入する、酸化防止剤を袋に入れる
温度→温度変化の少ない場所に保存する(*注 冷蔵庫は結露して腐りやすくなります)
湿度→封をしっかり閉めて温度の高くならない場所に置く、
(ドアのついた木製の食器棚は自動的に湿度を調整してくれ光も遮るのでオススメ)
光→アルミ製のジップタイプに入れる(遮光袋)
などがあります。
最後に
診察をしているとフードの食いつきが悪くなったと言われる事がよくあります。
もちろん病気によって食欲が落ちることがあるため、体重が落ちている時はしっかり原因を調べてあげる事が大切です。
ただ体調面で特に異常がなく、体重も増えているのに食いつきが悪くなった場合は今回の様にカリカリフードを大量に購入して酸化していないかを確認してあげるのも一つの手です。
どうしても食べが悪いとおやつなどをトッピングして食べさせようとすることが多いのですがそもそも風味が落ちていたり酸化している食事を続けると知らない間に下痢や嘔吐の原因を作っている可能性もあるため食事の保存などについて一度検討していただければと思います。
院長 中谷