意外と知らない?!猫ちゃんの寄生虫症
寄生虫と言われると「なにそれっ!気持ち悪い!!」や「ウチは関係ないよ〜」という感想を実際良く聞きます。人では衛生環境が整ってきたため寄生虫を目にする機会が減りましたが実は家の周りにも寄生虫は存在します。今回は猫ちゃんの寄生虫について簡単に解説していきます。
今回の内容
・どんな寄生虫がいる?
・予防方法は?
・当院オススメ予防薬
・まとめ
どんな寄生虫がいる?
寄生虫にはお腹の中に寄生する内部寄生虫と体の周りに寄生する外部寄生虫がいます。外出する子の場合はこの両方の寄生虫に感染する可能性があります。
・内部寄生虫には回虫、鉤虫、マンソン裂頭条虫、壺型吸虫、コクシジウムなどが存在します。
・外部寄生虫の代表としてはノミやマダニですが草むらが多い場所では疥癬などの感染も認められます。マダニについては近年SFTS(重症熱性血小板減少症候群)感染についてヒトの死亡例が報告されており社会問題化が懸念されます。また近年では猫のフィラリア症が問題となっています。
個別の寄生虫について
【内部寄生虫】
・回虫
・コクシジウム
・トリコモナス
・マンソン裂頭条虫【詳しくはこちら】
・フィラリア (犬糸状虫) 【zoetis HP】
【外部寄生虫】
・ノミ
・マダニ
・疥癬
・耳ダニ【詳しくはこちら】
少しずつUPしていますのでしばしお待ちください。
予防方法について
一番の予防方法は外出を避けることです。
外出することにより交通事故に遭う可能性が確実に高まります。2019年の報告【全国猫のロードキル報告(こちら)】では29万頭近くの猫ちゃんが交通事故でなくなっていとのことでした。また縄張り争いから大怪我を負う猫ちゃんもいます。
それでも外出好きな猫ちゃんについてはしっかりとした予防が必要です。ノミ・マダニに関しては定期的に背中に垂らすだけで予防が出来ます。最近はオールインワンのスポット剤が販売されており一部の内部寄生虫までもしっかり予防ができます。
最近では外出をしない猫ちゃんにもフィラリア感染が認められる例が報告されています。
当院オススメ予防薬
背中に垂らすだけで良いお薬をスポットタイプと言います。最近は一つのお薬でノミ・マダニ・フィラリアに対して予防ができるオールインワンが人気になっています。ノミ除け首輪がペットショップなどで販売されていますが扁平上皮癌のリスク要因とも言われているため個人的にはオススメ出来ません。当院ではレボリューション®、ブロードライン®をオススメしています。(手間がないのとあまり猫ちゃんが嫌がらないので一人でも投与が可能です)
寄生虫が確認されれば内服のお薬を使用します。基本的に内服の抗寄生虫薬は非常に苦味が強いため内服が難しいときは院内にて服用を補助させていただきます。
まとめ
猫に感染する寄生虫は意外と身近に存在しており、しっかりとした対策が必要です。 寄生虫感染症は猫にとって昔の病気ではなく現在進行系の病気となっています。外出を控えることが最大の予防となりますが、予防薬など少しでも感染リスクを減らすための努力が必要です。お薬についてご不明な点があれば当院までご相談ください。