犬、膀胱結石、レントゲン

犬の膀胱結石について

       

犬の膀胱結石について

膀胱結石の症状とは?

膀胱結石 エコー

膀胱に石(以下結石)があると違和感から頻尿になったり、たびたび感染症を起こすことがあります。また慢性的な膀胱炎の原因にもなり、多くが膀胱炎の治療の際に発見されることが多いです。

猫ちゃんにおいては違和感からお腹を舐めて毛が無くなるなどの症状が見られることがあります。

特に多い症状としては

  • 頻尿(よくトイレに行く)
  • 血尿
  • 残尿感(おしっこしないのにトイレに何度もいく)

などがあり膀胱炎と似たような症状が多く、合併していることが多々あります。当院では膀胱炎の際にエコー検査を実施することが多く偶然発見されることが多い傾向にあります。(写真は実際のエコー画像で2cm程度のストラバイト結石でした)

 

 

 

 

 

膀胱結石の原因は?

犬、猫において膀胱結石の原因として主なものは

  • 尿路感染症(いわゆる膀胱炎)
  • 飲水量の低下、排尿回数の減少(外でしかおしっこしないなど)
  • 食事の影響(マグネシウムが多い食事など)

があります。

結石は膀胱炎などで膀胱内に異物(細菌や血液)があると異物を芯として結石成分が雪だるま状に付着、拡大して結石となります。尿の流れが悪く、尿が濃縮する状態が長期間続くことなどが原因となるため寒くなり飲水量が減ったり散歩にあまり行かなくなることで症状がでることがあります。

最近は長期的に合わない処方食を食べたり、人の食事を食べることによってシュウ酸カルシウムという結石が増加傾向にあります。(J Vet Intern Med 2000)

 

 

 

 

 

膀胱結石の診断方法は?

犬、膀胱結石、レントゲン

症状からは膀胱炎と区別が困難であるため以下のような検査を組み合わせて診断します。

  • 尿検査:尿の酸性度(pH)や結晶の形状などから結石の種類を想定します。
  • 超音波検査:結石の有無、サイズを確認します。結石の種類によっては治療食(処方食)で溶けることがあるのでその判断をするためにも重要な検査です。
  • 腹部X線検査(レントゲン検査):結石の大きさや尿道などに詰まっていないかを確認します。結石の種類によってはレントゲンで映らないものもあります。

 

 

 

 

 

膀胱結石の治療法は?

ストラバイト、膀胱炎、結石、外科手術

結石の種類やサイズによって治療法が異なりますが一般的には以下の方法があります。

  • 外科手術
  • 食事療法

最も多い結石であるストラ(ル)バイト結石の場合小さいものなら食事療法で溶かすことも出来ますが大きいものであれば溶けるまでに膀胱炎の症状が悪化する可能性もあるため外科的に摘出します。

人のようにレーザーや膀胱内視鏡での治療は尿道の太さなどからあまり適応されないことが多いです。写真は実際手術で摘出したストラバイト結石になります。

 

 

 

 

 

膀胱結石の予防について

膀胱炎の結果として結石ができることが多いため膀胱炎を放置しないことが一番の予防方法となります。その上で人の食事を与えないことや散歩などを定期的にして排尿を我慢しない環境づくりをしてあげることが大切になります。また寒い時期には飲水量が減るためお食事をふやかしてみたりお水をよく飲むような工夫も予防方法の一つです。

 

 

 

 

 

まとめ

  • 膀胱炎と症状が似ている(または被っている)ので検査をしないと分からないことが多い
  • 膀胱炎から膀胱結石ができることが多い
  • 結石の種類によっては食事療法で溶けるものもあるが、大きければ外科手術が必要
  • 不適切な食事や排尿の我慢が結石を大きくする可能性がある

特におしっこをする際に痛みがある場合は尿道を傷つける可能性もあります。「勘違いかな?」と思っても放置せずにお気軽に相談して頂ければと思います。

院長:中谷

 

 

 

 

 

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