フィラリア症は「蚊に刺されるだけ」で感染する病気です
フィラリア症(犬糸状虫症)は、蚊を介して感染する寄生虫疾患です。
体内に侵入したフィラリア(Dirofilaria immitis)は、最終的に肺動脈や心臓に寄生し、呼吸器や循環器に大きなダメージを与えます。
感染初期には症状がほとんど認められないため、知らないうちに病気が進行してしまうことも少なくありません。
このような症状がみられます
初期には無症状のこともありますが、進行すると以下のような症状が認められます。
- 咳が増える
- 疲れやすくなる
- 散歩を嫌がる
- 呼吸が速くなる
- 食欲が低下する
- お腹に水が溜まる(腹水)
重症化すると、命に関わることもあります。
具体的には感染した虫体が増えていったり炎症が起こると徐々に食欲低下や咳(ゴォう”ぇ〜ッッという感じ)が出てき、疲れやすくあまり動かなくなっていきます。この頃になると呼吸が苦しくなり失神することもあります。
受診理由で多いのは強い咳がずっと続くというものが多い傾向にあります。
進行していくと腹水が貯まり貧血や真っ赤なオシッコ(血色素尿)が出て腎不全や肝不全、高血圧などの症状を呈し、最悪の場合は突然死を起こします。
猫ちゃんの場合は犬とは異なり呼吸器症状が主で、突然死する場合もあります。
【猫のフィラリア症についてはこちら】
フィラリアはどのように感染するのでしょうか?
感染した犬の血液を吸った蚊が、別の犬を吸血することで感染が成立します。
体内に侵入した幼虫は数か月かけて成長し、約6〜7か月後に成虫となります。成虫は5〜7年程度生存することもあり、長期にわたって肺や心臓へ負担をかけ続けます。
実際のミクロフィラリア動画
なぜ毎年検査が必要なのでしょうか?

「毎年きちんと予防しているのに、なぜ検査が必要なの?」
と疑問に思われる飼い主さんも少なくありません。
実際には、
- 飲み忘れ
- 投与日がずれた
- 吐き戻してしまった
- 体重増加による用量不足(近年増加傾向です)
などによって予防が十分にできていないことがあります。
また、成虫に感染した状態で予防薬を開始すると、思わぬ副反応につながる可能性もあるため、毎年の検査が推奨されています。
フィラリア予防はいつから始めれば良いのでしょうか?
以前は「蚊が出始めてから1か月後〜蚊がいなくなってから1か月後まで」という考え方が一般的でした。
しかし近年では、
通年予防(1年を通して予防する方法)
を選択するケースも増えています。
その理由として、
- 気候変動による蚊の活動期間の変化
- 飲み忘れ防止
- ノミ・マダニなどを同時に予防できる
ことが挙げられます。
予防薬にはどのような種類がありますか?
現在は様々なタイプの予防薬があります。
おやつタイプ(経口薬)
毎月1回投与します。
スポットタイプ(滴下薬)
皮膚に滴下して使用します。
全身に行き渡り、吸収されるまではトリミングやシャンプーはできません。()
注射タイプ
1年に1回または一定期間ごとの投与で予防を行います。
その子の性格や生活スタイルに合わせて選択することが大切です。
2026年現在、当院では取り扱っていないため、ご希望の場合には取り扱いのある近隣病院を紹介させていただきます。
ひらた動物病院で大切にしていること
当院では、「予防薬を処方するだけ」で終わらせないことを大切にしています。
- 毎年のフィラリア検査
- 健康診断との同時実施(春の健康断について)
- 生活スタイルに合わせた予防薬の選択
- 飲み忘れの少ない予防プランの提案(院内服用サービスなど)
など、その子に合った予防方法をご提案しています。
フィラリア症は予防できる病気です。
だからこそ、毎年確実に予防を継続することが最も重要になります。
よくある質問(FAQ)
Q:室内犬でもフィラリア予防は必要ですか?
必要です。蚊は室内にも侵入するため、室内飼育でも感染する可能性があります。
(マンションの高層階で飼われていたワンちゃんが感染したという報告もあります)
Q:冬は予防しなくても大丈夫ですか?
地域差はありますが、近年は通年予防を選択するケースも増えています。主治医と相談しながら予防期間を決定しましょう。(地域別の予防期間についてはこちら)
Q:毎年検査は必要ですか?
はい。予防漏れの確認や安全な予防継続のためにも、毎年の検査が推奨されています。
当院ではライフスタイルに合わせて予防薬をご提案しています
フィラリア予防薬には様々な種類があります。
「どれを選んでも同じ」と思われることもありますが、
- おやつタイプ
- スポットタイプ
- オールインワン製剤
- 注射タイプ
など、それぞれ特徴が異なります。
また、
- 毎月しっかり投与できる子
- お薬が苦手な子
- ノミ・マダニも同時に予防したい子
など、生活スタイルによって最適な選択肢は変わります。
当院では、その子の性格や生活環境に合わせた予防プランをご提案しています。
▶︎ 関連記事:おすすめの予防薬について詳しくはこちら
関連記事
- 猫のフィラリア症について
- 犬糸状虫症(フィラリア症)の病態アップデート(獣医師向け)
犬フィラリア症の症状は?
犬では初期はほとんど症状がなく進行していきます。
感染した虫体が増えていったり炎症が起こると徐々に食欲低下や咳(ゴォう”ぇ〜ッッという感じ)が出てき、疲れやすくあまり動かなくなっていきます。この頃になると呼吸が苦しくなり失神することもあります。
受診理由で多いのは強い咳がずっと続くというものが多い傾向にあります。
進行していくと腹水が貯まり貧血や真っ赤なオシッコ(血色素尿)が出て腎不全や肝不全、高血圧などの症状を呈し、最悪の場合は突然死を起こします。
猫ちゃんの場合は犬とは異なり呼吸器症状が主で、突然死する場合もあります。
【猫のフィラリア症についてはこちら】




