フィラリア症の予防
今回の内容

- 犬のフィラリア症って?
- 犬フィラリア症の症状は?
- 犬フィラリア症の診断・治療
- フィラリア症の予防
- まとめ
犬フィラリア症って?

フィラリア症は英語でheart worm(心臓の虫)といわれ犬糸状虫という寄生虫が心臓に寄生することで様々な症状を呈する病気です。
蚊に血を吸われることによって寄生虫を媒介するので、外出しない子でも家で蚊に噛まれる環境であればどこでも感染する危険性があります。
(マンションの高層階で飼われていたワンちゃんが感染したという報告もあります)
犬フィラリア症の症状は?
犬では初期はほとんど症状がなく進行していきます。
感染した虫体が増えていったり炎症が起こると徐々に食欲低下や咳(ゴォう”ぇ〜ッッという感じ)が出てき、疲れやすくあまり動かなくなっていきます。この頃になると呼吸が苦しくなり失神することもあります。
受診理由で多いのは強い咳がずっと続くというものが多い傾向にあります。
進行していくと腹水が貯まり貧血や真っ赤なオシッコ(血色素尿)が出て腎不全や肝不全、高血圧などの症状を呈し、最悪の場合は突然死を起こします。
猫ちゃんの場合は犬とは異なり呼吸器症状が主で、突然死する場合もあります。
【猫のフィラリア症についてはこちら】
犬フィラリア症の診断・治療

診断は血液検査(直接塗抹検査・抗原検査)で検査により即日感染の有無を調べることができます。
フィラリア予防薬を投与する前に感染の有無を検査することが重要です。感染している状態で服用すると血液中の虫体が暴れたり、ヒスタミンなどを放出することによりショック状態になる可能性があるためです。
治療については成虫の外科的摘出や投薬があります。手術については術中死などの危険性があり、投薬治療には長くて年単位の治療が必要となります。現在は確実な予防薬があり犬フィラリア症は治療するのではなく予防する病気となっています。
フィラリア症の予防

予防薬や予防注射により確実に予防することが出来ます。【当院オススメ予防薬はこちら】
蚊を媒介して感染したミクロフィラリアは体内に侵入し皮膚の下(皮下組織)で成長していきます。成長と脱皮を繰り返しある程度の状態(L3虫体)になると血液中に侵入していきます。ここで注意することとして予防薬が月1回だから一ヶ月間お薬が効いているというわけではないことです。皮下にいる段階で寄生虫を退治することにより血管内に侵入することを防ぐお薬となっています。このため毎月の予防が非常に重要になります。当院では採血時に春の健康診断の実施をオススメしております。
まとめ

今回は犬のフィラリア症について説明していきました。フィラリア症は過去の病気という訳ではなく現在も予防をしていないと感染するリスクがあります。また治療法は長期でかつ手術などはリスクのあるものになります。しっかり予防をすることで確実に感染を予防することが出来るため蚊が居なくなってから少なくとも1ヶ月間はしっかりとした予防を継続することが大切です。(地域別の予防期間についてはこちら)
当院では1つでフィラリア・ノミ・マダニを予防できるお薬をオススメしています。【こちら】ご不明な点があればお気軽にご相談ください。
中谷