犬猫の骨盤骨折について|歩けない・交通事故後に注意したい整形外科疾患

犬猫の骨盤骨折について

【犬猫の骨盤骨折について】

交通事故や高所からの転落などにより、骨盤骨折を起こして来院される症例は少なくありません。骨盤骨折は、一見すると「歩けない」「後肢を引きずる」といった症状のみの場合もありますが、実際には、

・強い疼痛
・神経障害
・排尿障害
・内臓損傷

などを伴うこともあるため、慎重な評価が必要となります。

事故直後には状態を確認して、必要に応じて支持療法を行い、全身状態の安定化を図ります。

どんな時に受診?

交通事故後、高所から落ちた後、急に後ろ足を使わない、排尿・排便がしづらい場合は、骨盤骨折や内臓損傷を伴う可能性があるため、早めの受診をおすすめします。

骨盤骨折とは

骨盤は複数の骨で構成されており、

・腸骨
・坐骨
・恥骨
・寛骨臼
・仙腸関節

などから成り立っています。

そのため、骨折の部位や組み合わせによって重症度や治療方針が大きく変わります。

*複雑な骨盤骨折に関しては整形外科専門医に相談の上で方針を決定します。(以下詳細)

主な症状

・後肢をつけない
・歩行異常
・強い疼痛
・排尿しづらい
・便が出にくい
・元気消失

などが認められることがあります。

診断について

骨盤骨折では、レントゲン検査による評価が非常に重要です。

骨折部位だけでなく、

・骨盤腔の狭窄
・仙腸関節離断
・寛骨臼の損傷
・神経障害の有無

などを総合的に評価する必要があります。

*実際の骨盤骨折のレントゲン画像です。骨折部位や骨盤のずれ、骨盤腔の狭窄の有無などを確認します。

治療について

骨盤骨折の治療は、骨折部位や重症度によって異なります。

保存療法(安静管理)で改善するケースもありますが、

・骨盤の不安定性
・強い変位
・神経症状
・排便障害

などがある場合には、外科的治療が必要となることがあります。

当院では、

・片側性骨盤骨折
・部分的な骨折
・仙腸関節離断

などについては、症例を選択しながら外科的対応を行っています。

一方で、

・両側性骨盤骨折
・複雑骨折
・高度な寛骨臼損傷

などの難症例については、整形外科専門医と相談の上で治療方針を検討、ご紹介させていただきます。(下の症例など)

複数の骨が骨折した状態(複雑骨折)

術後

骨盤骨折で重要なこと

骨盤骨折では、「骨が折れているかどうか」だけではなく、

・どの部位が
・どの程度ずれて
・どのように不安定なのか

を適切に評価することが非常に重要です。

また、若齢動物では回復力が高い一方で、重度変形が残ると将来的な排便・歩行障害につながる場合もあります。

最後に

骨盤骨折は、症例によって治療方針が大きく異なる疾患です。

当院では、状態をしっかり評価したうえで、

・保存療法
・外科治療
・専門施設への紹介

を含め、その子にとって最適な治療方針をご提案しています。

「歩き方がおかしい」
「交通事故後から元気がない」

など気になる症状がありましたら、お気軽にご相談ください。

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