健康診断について
今回の流れ
- 健康診断とは
- 健診を受けるにあたって
- お勧めコースとオプション
- まとめ
健康診断とは
健康診断は生活習慣病を含めたさまざまな病気の早期発見・早期治療、予防を目的とした検査です。動物達は普段病気を隠す傾向があり、また症状を話してくれないため飼い主が積極的に気づいてあげる必要があります。病気を見逃さないために、定期的な受診が大切です。
一般的に犬・猫において6歳までは年に1回、それ以降では年に2回の健診が推奨されています。動物達は年を重ねる速さが早く、人の1年は犬・猫における4〜5年に相当すると考えられています。またある報告では(悪性)腫瘍の進行速度は人の5−7倍と言われています。
健診を受けるにあたって
健診をうける際に持参していただくと良いものとして
- 当日の便(少量でOK)
- 当日の尿(採尿キットは無料でお渡しします)
- (初めての方は)今までの検査結果
などがあります。気になる行動などがあればMovieや写真を撮っていただくと診断の参考になります。
また健診前は出来る限り空腹な状態(8時間絶食が望ましい)で受診していただく事でレントゲン検査やエコー検査がより正確に実施することが可能となりますのでご協力の程よろしくお願いします。
ご飯いっぱいのお腹

お腹いっぱいの状態だと他の臓器が重なってしまい正確な検査ができなくなります(見逃しの原因になりがち、、、)
お勧めコースとオプション
当院ではA、Bコースの2種類に加えてオプション検査の実施をご提案しております。
Aコース:6歳までの元気なわんちゃん、猫ちゃん
Bコース:以前病気をした、または7歳以上のわんちゃん、猫ちゃん(レントゲン検査あり)
【検査に含まれるもの】
身体検査(視診、触診、聴診)、採血、レントゲン(Bコースのみ)
【オプション検査】
エコー検査:胸部(特に心臓)や腹部を超音波を使用して検査していきます。リアルタイムで臓器の動きを確認することができ、血液検査では反映されない構造の異常などを早期で発見することが期待されます。
オトスコープ検査:耳の内視鏡を使用して観察していきます。基本的には麻酔が不要で耳を掻く頻度が多い際に原因の追求が可能です。
眼圧・眼底検査:緑内障を初めとした種々の炎症の確認を行います。眼の治療中である場合は検査の実施をお勧めします。
心電図検査:心雑音や心臓が大きい際に原因の追求のため実施します。ふらつきや食欲不振、体重減少の原因が心臓である場合もあるため注意が必要です。
バイオマーカー:現在腎臓マーカー(FGF-23)、心臓マーカー(ANPやBNP)、腫瘍マーカー(BRAFなど)があります。
内視鏡検査:麻酔が必要となりますので事前の予約が必要となります。鼻腔や食道〜十二指腸を観察していきます。
*当院では中年齢(7歳)以降の腹部エコー検査の実施をお勧めしています。
まとめ
今回健康診断についての概要を説明させていただきました。
健診を受けたからと言って全ての病気が分かるわけではありませんが、現在の状態を把握することで病気の予防に少しでも役立てることを願っています。
また健診を受診された方には今までの経過を踏まえて結果の解釈や今後の改善のためのアドバイスを記載させていただいています。一日でも長く人生の相棒と一緒にいるために早期発見・治療を目指していきましょう。