犬や猫の耳のできもの(耳垢腺腫)とは?
耳が臭い・外耳炎が治らない原因かもしれません
この記事で分かること
- 耳垢腺腫とはどんな病気?
- どんな症状がみられる?
- 診断方法は?
- 治療方法は?
- 手術は必要?
- 当院での治療について
耳垢腺腫とは?

耳垢腺腫は、耳の中に存在する「耳垢腺」という組織が過剰に増殖することで発生する良性腫瘍です。
耳垢腺は乳腺や肛門周囲腺と同じアポクリン腺の一種で、
- 耳垢の産生
- 異物の排出
- 耳道の保護
などの役割を担っています。
しかし耳垢腺が過剰に増殖すると、
- 耳垢が増える
- 耳の臭いが強くなる
- 耳道が狭くなる
などの問題が起こります。
犬でも猫でも発生しますが、外耳炎が慢性化するとよく認められることがあります。
耳垢腺腫はこの耳垢腺が過剰に発達した状態を指します。
(*元々体臭が強い場合には耳垢腺も発達している傾向が多いとのことです)

実際の耳垢腺腫→
耳の中にポリープ様のものがたくさん認められます
このような症状はありませんか?
耳垢腺腫では以下のような症状が認められます。
- 耳を頻繁に掻く
- 頭を振る
- 耳から嫌な臭いがする
- 耳垢が増えた
- 耳から出血する
- 外耳炎が繰り返し起こる
- 耳の奥に黒い塊が見える
初期には症状が軽いため気づかれにくいこともあります。
外耳炎との関係
耳垢腺腫が大きくなると耳道が狭くなり、
- 細菌感染
- マラセチア感染
- 慢性外耳炎
を引き起こします。
実際には「なかなか治らない外耳炎」
として来院され、検査の結果耳垢腺腫が見つかることも少なくありません。
当院での診断方法
耳垢腺腫を正確に診断するためには耳の奥まで観察する必要があります。
当院では耳の内視鏡であるビデオオトスコープ(詳しくはこちら)を使用し、
- 腫瘤の大きさ
- 発生部位
- 鼓膜の状態
- 炎症の程度
を詳細に評価しています。耳垢腺腫と似た病気には
- 耳垢腺癌
- 炎症性ポリープ
- その他の腫瘍
などがあります。
そのため摘出した組織は病理検査へ提出し確定診断を行います。
(耳の治療は非常に繊細なため麻酔下にて実施します。また痛みや神経症状が極力出ないようにお薬の量なども調整します)
当院で行う治療
当院では耳への負担を最小限に抑えることを重視しています。
ダイオードレーザー治療
生理食塩水を満たした耳道内でダイオードレーザーを使用し、腫瘤を一つずつ蒸散させます。
- 出血が少ない
- 周囲組織へのダメージが少ない
- 回復が早い
といった利点があります。
ポリペクトミー
ワイヤーを使用して腫瘤を切除する方法です。
耳道内ポリープの治療と同様の方法で実施します。
耳道切除術
病変が進行し耳道が完全に閉塞している場合には、
外科的な耳道切除術が必要になることがあります。
早期発見が大切です
耳垢腺腫は初期であれば
- 耳洗浄
- 点耳薬
- 軽度な処置
のみで管理できる場合があります。(最新の点耳治療薬についてはこちら)
しかし進行すると手術が必要になることもあるため、
- 耳をよく掻く
- 耳が臭う
- 外耳炎を繰り返す
といった症状があれば早めの受診をおすすめします。
まとめ
- 耳垢腺腫は耳垢腺が増殖してできる良性腫瘍
- 耳の臭いや外耳炎の原因になる
- ビデオオトスコープによる観察が重要
- 病理検査で確定診断を行う
- 早期治療により耳への負担を減らせる
当院ではビデオオトスコープとダイオードレーザーを用いた耳科診療を行っています。
耳が臭う、耳垢が増えた、外耳炎が治らないなどのお悩みがありましたらお気軽にご相談ください。
院長 中谷
よくある質問
耳垢腺腫は自然に治りますか?
自然に消失することは少なく、徐々に大きくなる場合があります。
耳垢腺腫は再発しますか?
病変の程度や治療方法によっては再発する場合があります。
耳垢腺腫は悪性ですか?
多くは良性ですが、耳垢腺癌など悪性腫瘍との鑑別が必要です。


